
ニコラウス(Nikolaus)と言うおじさん、皆さんはご存知でしょうか?
ドイツ(ヨーロッパ)では12月6日に登場するとても有名なおじさんです。
顔が隠れるくらいの真っ白なもじゃもじゃ髭を生やし、カトリックの司教がミサで身に着けているような帽子と長い杖、そして大きな本を持っているおじさんです。
見た目はサンタクロースに似ていますが、サンタクロースではありません。

紀元3世紀、小アジア(今のトルコ)のミラと言う町に生まれた伝説上の聖人です。とても慈悲深い司教ニコラウスは恵まれない人々を支え続けたそうです。彼はサンタクロースの起源となった人物とも言われています。
そしてドイツではこのニコラウスが12月6日にやってきて靴の中にプレゼントを置いていくのです。
なのでドイツの子供たちは12月5日の夜、自分たちの靴をピカピカにして寝ます。

そしてニコラウスは5日の深夜、子供たちが寝静まった後にやってきて、靴の中に素敵なプレゼントを入れてくれるのです。

えっ…じゃあ、12月25日、ドイツの子供たちのところにはサンタクロースは来ないの??
実はドイツでは12月25日(24日の深夜)にはサンタクロースは来ません。

しかしクリストキント(Christkind)と言われる、『天からの使い=天使さん』が子供たちのところにプレゼントを持ってきてくれるのです。

(25日にプレゼントを持ってきてくれるクリストキント)
ドイツの子供たちは2回もプレゼントがもらえるというわけです!

ドイツの子供たちは、Christkindが来る12月25日と同じくらい、12月6日のNikolausの日を楽しみにしています。
ここで、ドイツ人がみんな知っているクリスマスの歌の一つでニコラウスの可愛い歌を紹介します。この歌を聴けば、ドイツの子供たちがどれほど12月6日を楽しみにしているかがよくわかると思います。
曲名: Lasst uns froh und munter sein...(愉快に楽しく騒ごうよ!)
1番
Lasst uns froh und munter sein(愉快に楽しく騒ごうよ)
(ラス ウンス フロー ウントゥ ムンター ザイン)
und uns recht von Herzen freun.(そして心から楽しもう)
(ウントゥ ウンス レヒトゥ フォン ヘルツェン フロイエン)
Lustig, lustig, traleralala,(愉快に、楽しく、ラララララ)
(ルスティヒ、ルスティヒ トゥララララ〜)
bald ist Nikolausabend da,(もうすぐニコラウスの夜がやって来る)
(バルトゥ イストゥ ニコラウスアーベントゥ ダー)
bald ist Nikolausabend da!(もうすぐニコラウスの夜がやって来る!)
(バルトゥ イストゥ ニコラウスアーベントゥ ダー)
*munterは“愉快に”
2番
Bald ist uns′re Schule aus.(もうすぐ学校も終わって)
(バルトゥ イストゥ ウンザーレ シューレー アウス)
Dann zieh′n wir vergnügt nach Haus(みんなで楽しくお家へ帰ろう)
(ダン チィーン ヴィア フェアギュントゥ ナッハ ハウゼ)
Lustig, lustig, traleralala ... (愉快に、楽しく ラララララ・・・・)
*zieh′nは“ziehen”の略で、意味は“行進する”とか“移動する”
*vergnügtは“楽しく・愉快に”
3番
Dann stell ich den Teller auf,(それから机の上にはお皿を置こう)
(ダン シュテッレ イッヒ デン テラー アウフ)
Niklaus legt gewiss was drauf.(ニコラウスがその上にプレゼントを置けるようにね)
(ニコラウス レーグトゥ ゲヴィッス ヴァス ダーラウス)
Lustig, lustig, traleralala ...(愉快に、楽しく ラララララ・・・・)
*ここでのwasはプレゼントのことを指している。
4番
Steht der Teller auf dem Tisch.(お皿はテーブルの上に置いてある)
(シュテートゥ デア テラー アウフ デム ティシュ)
Sing ich nochmals froh und frisch(私はもう一度楽しく、はつらつと歌う)
(ジング イッヒ ノッホマルス フロー ウントゥ フリュシュ)
Lustig, lustig, traleralala ...(愉快に、楽しく ラララララ・・・・)
5番
Wenn ich schlaf, dann träume ich(私は眠りにつき、夢を見る)
(ヴェン イッヒ シュラーフ ダン トラウメ イッヒ)
Jetzt bringt Nikolaus was für mich. (ちょうどニコラウスが私のためにプレゼントを持ってきたよ)
(イェツッ ブリングトゥ ニコラウス ヴァス フュア ミッヒ)
Lustig, lustig, traleralala ...(愉快に、楽しく、ラララララ・・・・)
6番
Wenn ich aufgestanden bin,(私が朝起きると)
(ヴェン イッヒ アウフゲシュタンデン ビン)
lauf ich schnell zum Teller hin.(急いでお皿のところに行く)
(ラウフ イッヒ シュネッル ツム テラー ヒン)
Lustig, lustig, traleralala ...(愉快に、楽しく、ラララララ・・・・)
7番
Niklaus ist ein guter Mann,(ニコラウスは素敵な人だ)
(ニコラウス イストゥ アイン グーター マン)
dem man nicht genug danken kann.(どんなに感謝しても足りないよ)
(デム マン ニヒトゥ ゲヌック ダンケン カン)
Lustig, lustig, traleralala ...(愉快に、楽しく、ラララララ・・・・)
この歌では子供たちは寝る前にお皿をテーブルのお上に置き、ニコラウスはその上にプレゼント(きっとお菓子などだと思います)を置いてくれる・・・と言う歌詞ですが、(最近の)ドイツの習慣としては靴、もしくは靴下の中にプレゼントを入れます。
そして、寝る前に子供たちは夜中やってくるニコラウスのために“小さなおやつ”を準備したり、そして朝起きてニコラウスがそのおやつを食べて行ったか確かめたりするのです。なんともかわいいですね。

(子供たちの学校にもニコラウスが来てくれました)
ドイツの子供たちはクリスマス期間中、家族とクッキーを焼いたり、クリスマスに関するたくさんの歌を歌い、いろんなことを考え想像し、その子なりにクリスマスの幸せを築いていっているようです。
さて、このニコラウスからのお決まりの贈り物があります。
それは、クルミなどのナッツとミカンと小さなお菓子

必ず、靴の中にはこの3つの食べ物が入っています。

我が家では大きなプレゼントは25日にあげようと決めているので、12月6日のニコラウスからのプレゼントはこの3つの食べ物と小さなプレゼントです。
しかし!!このニコラウスはいい子のところのみにしか来ません。
上記にも書きましたがニコラウスは、司教の長い杖と金色の本を持っています。
この金色の本の中に、この1年間、子供たちが親を困らせていなかったか、いい子にしていたかが、全て書いてあるのです。
なので、12月になると子供たちは急にいい子になります(笑)
我が家の娘は、12月6日が近くなると『ママ、私いい子だったよね?Mami,war ich brav?(ヴァー イッヒ ブラーフ?)』と何回も聞いてきます。
*bravは“いい子”と言う意味。
そして、悪いこのところにはKnecht Ruprecht(クネヒト・ルプレヒト)言われているニコラウスから遣わされた悪魔のような容姿の怖い鬼がやってきて、鞭でおしりをたたいて、悪い子供を大きな袋の中に入れて連れて行くといわれています。

(ニコラウスのお連れのクネヒト・ルプレヒト。悪い子供は連れて行かれる・・・)
12月6日の朝、子供のいる家庭では、子供たちの喜ぶ声が響き渡っていいることでしょ〜。
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