一般に文法というものははじめにありきではなくて、使用されている用法をルール化したものですね。
ですから文法的な分類を細かくみるとどうしてもその枠組みに入りきれないものがでてくるのは必然なのでしょう。
今回は形容詞と動詞の異端児たちをみてみることにします。
まず形容詞はドイツ語ではAdjektivといいますが、これはラテン語の nomen adjectivumに由来し、nomen は名前という意味です。
そしてadjectivumの ad- は付け加える、それに動詞の iacereが投げるで、総じて「(意味を)投げかけて付け加えられた名」と訳せるでしょうか。
由来通り、このAdjektiv、形容詞というものは名詞を修飾するものと説明されます。
さてこの形容詞、いとも簡単に名詞になることができます。
たとえば、alt という形容詞は、「年老いた」や「古い」という意味ですよね。
それに冠詞をつけて頭文字を大文字にし、語尾を格変化すると名詞に変身❗
1格で、女の人なら die Alte
男の人なら der Alte
複数の人たちなら die Alten
モノならばdas Alte
Die Alte geht im Park spazieren.
その年老いた女性は公園を散歩する。
Der Alte ist der Großvater meines Freundes.
その年老いた男性は私の友人のおじいさんです。
日本語でも例えば「その赤いの」や「その若いの」などと、「形容詞+の」で名詞になるのと似ていますね

あのグリム童話にもDie Alte im Wald というお話があって、日本では「森の中のばあさん」として知られています。
加えて動詞を形容詞のように使う用法もあります。
これは、不定詞+d の形で、「〜している」という意味の現在分詞になり、形容詞のように名詞を修飾するのです。
Kennst du der lächelnde Junge dort ?
君はあそこで微笑んでいる男の子を知っていますか?
動詞が形容詞になり、さらにその形容詞が名詞として使われるダブルの変化をとげるものもあります。
Der Singende dort ist mein Vater.

あそこで歌っているのは私の父です。
Die Reisende fragte mich nach dem Weg zum Bahnhof.

その旅行者の女性は駅へ行く道を私に尋ねました。
形容詞や動詞も、その範疇におさまりきれない楽しい使い方があるので、ぜひ探してみてくださいね。
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