ドイツのタブー

2016年01月24日

ドイツのタブー

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ドイツが今でも深く反省していることは他でもないヒトラーが率いるナチス・ドイツの独裁政権の行ったことで、Swastika(スワスティカ)と言われるナチ政権の旗を公共の場で見せることは固く禁じられています。

ParteiabzeichenGold_small.png

2008年に一人の女性テレビ司会者が番組中に"Arbeit macht frei" という文を言ってしまったがために職を追われたことはドイツではとても有名な話。

"Arbeit macht frei"は直訳すると「労働が自由を作る」なのですが、「働けば自由になる」「労働は人間を自由にする」などと様々に訳されて、表面的にみればどうということもないですよね。

けれども、これはアウシュビッツ強制収容所の門に掲げられていたスローガンだったので、とても深淵で悲しい歴史的な背景を含んでしまうのです。

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ドイツではこの一文だけはたとえ冗談であっても口を滑らせてはなりません

そのほかにはナチス式敬礼と呼ばれる、片腕をピンと張って胸と水平の位置で構えるジェスチャーもしないほうが無難です。

これは"Heil Hitler" (ハイル ヒトラー、ヒトラー万歳)や"Sieg Heil"(ジーク ハイル、勝利万歳)という言葉と同時にされるジェスチャーで、ヒトラーへの忠誠を表すものだったそうです。

ヒトラー.png

なにもご存知ない方は何かの拍子にやってしまう恐れがありますが、ドイツの人たちはこのジェスチャーにとても敏感ですから、そっとやめるように注意してくれるかもしれません。

ドイツ学校教育の歴史の授業でも、ナチス政権のやったことは詳しく勉強するのだそうですが、日本が戦時中に大日本国帝国としてやったことにあまり触れないというのとは対照的ですね。

ナチスドイツの用いたスローガンは他にもあって、例えば"Jedem das Seine"はブーヘンバルド収容所の門に書かれてあります。

意味は「それぞれ見合ったものを」ということですが、収容所で行われていたことを考慮すると真に意味するところはとても皮肉です。

そうはいうものの、ドイツでもヒトラーを揶揄するコメディやバロディ映画は根強い人気です。

スワスティカやナチス敬礼はタブーなのに、ヒトラーコメディには緩いという不思議なジレンマ、一体どこに基準があるのかは今のところ不明です。

ともあれ、ドイツにいらっしゃる際はくれぐれもナチス・ドイツにお気をつけください。

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posted by ドイツ語上達人ゆうこ at 22:09| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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