ドイツが今でも深く反省していることは他でもないヒトラーが率いるナチス・ドイツの独裁政権の行ったことで、Swastika(スワスティカ)と言われるナチ政権の旗を公共の場で見せることは固く禁じられています。

2008年に一人の女性テレビ司会者が番組中に"Arbeit macht frei" という文を言ってしまったがために職を追われたことはドイツではとても有名な話。
"Arbeit macht frei"は直訳すると「労働が自由を作る」なのですが、「働けば自由になる」「労働は人間を自由にする」などと様々に訳されて、表面的にみればどうということもないですよね。
けれども、これはアウシュビッツ強制収容所の門に掲げられていたスローガンだったので、とても深淵で悲しい歴史的な背景を含んでしまうのです。

ドイツではこの一文だけはたとえ冗談であっても口を滑らせてはなりません。
そのほかにはナチス式敬礼と呼ばれる、片腕をピンと張って胸と水平の位置で構えるジェスチャーもしないほうが無難です。
これは"Heil Hitler" (ハイル ヒトラー、ヒトラー万歳)や"Sieg Heil"(ジーク ハイル、勝利万歳)という言葉と同時にされるジェスチャーで、ヒトラーへの忠誠を表すものだったそうです。

なにもご存知ない方は何かの拍子にやってしまう恐れがありますが、ドイツの人たちはこのジェスチャーにとても敏感ですから、そっとやめるように注意してくれるかもしれません。
ドイツ学校教育の歴史の授業でも、ナチス政権のやったことは詳しく勉強するのだそうですが、日本が戦時中に大日本国帝国としてやったことにあまり触れないというのとは対照的ですね。
ナチスドイツの用いたスローガンは他にもあって、例えば"Jedem das Seine"はブーヘンバルド収容所の門に書かれてあります。
意味は「それぞれ見合ったものを」ということですが、収容所で行われていたことを考慮すると真に意味するところはとても皮肉です。
そうはいうものの、ドイツでもヒトラーを揶揄するコメディやバロディ映画は根強い人気です。
スワスティカやナチス敬礼はタブーなのに、ヒトラーコメディには緩いという不思議なジレンマ、一体どこに基準があるのかは今のところ不明です。
ともあれ、ドイツにいらっしゃる際はくれぐれもナチス・ドイツにお気をつけください。
私がドイツ語を飛躍的に上達させた勉強法はこちら✨
【関連する記事】
- ドイツ語がなかなか上達しないとお悩みのあなたへ
- ドイツ語:ドイツのタブーと常識
- ノイシュバンシュタイン城に行きました ドイツ語で城
- 2019年お願いします!
- ドイツにおける日本人差別はあるか?
- ドイツのクレジットカード事情
- ドイツの治安はいい?
- ドイツ語:『好き』と言う動詞
- ドイツ語:よく試験に出てくる『重要な再帰動詞の熟語』
- ドイツ語で『予約をする』
- ドイツ語:”無駄”と言う表現
- ドイツ語:”ganz”の使い方
- ドイツ語:”聞く”と”聴く”
- 『相談』に関するドイツ語
- ドイツ語:veröffentlichen『発表される』『公開される』
- 王室御用達を意味するドイツ語
- ドイツで働くために必要な2つのこと
- ドイツでドイツ語を学ぶ
- ドイツで駐在員妻が充実した生活を送るためには
- ドイツ的な生き方・考え方