日本語の二人称代名詞というのは普通は「あなた」ですが、目上の人には使えないという制限がありますよね。
一方、ドイツ語の二人称代名詞は Du あるいは Sie で、それぞれ親称と敬称と説明されるのが一般的でしょうか。
ドイツ語も日本語も相手によって二人称代名詞を使い分けるという細やかな配慮があるのですが、両者の違いに違和感がなくなるまでには少し時間が必要かもしれません。
まず「あなた」= Sie ではありません❗
日本語で「あなた」というとき、目上に使うと失礼だったりするけれど、夫婦間だと親密さを示すことができたり、近さというのはかなり恣意的です。
けれどもドイツ語での Sie はいつも心理的な距離を表します。
敬意というよりは「あなたとお近づきになりたくない」

同様に Du は心理的に近い間柄で用いますから、いきなり見ず知らずの人に使うことは失礼になります。
ときおりレストランやお店で、お客さんにいきなり Du で話しかける若い人もいますが、特に年配の人たちは顔をしかめているかもしれませんね。
逆に、敬意を払うべき目上の人が自ら Du を使い始めると、Sie で返事をしてはいけないというルールもあります。✋
この現象は Per Du/ Per Sie (ペア ドゥ/ペア ズィー)で説明ができます。
つまりDuを使いあう間柄をPer Du 、Sie を使いあう間柄を Per Sieというのですが、これらをごちゃ混ぜにしてはならないのです。
出会ったばかりでも第一印象がよい年下の人あるいは同世代の人に対して、
Wollen wir Per Du sein?
ペア ドゥになりましょうか?
とお誘いすることがあります。
それを Ja と受け止めると、その後の会話の二人称代名詞は Du で統一されます。
反対にあなたと心理的に近づきたくないという場合は、
Mit Ihnen bin ich Per Sie!
あなたとはペア ズィーよ。
ということもできます。
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