前置詞の格支配。
これを聞いただけで逃げ出したくなるのは私だけではないでしょう。➰
前置詞と名詞はセットにして暗記していくのが基本ですが、3格と4格の名詞の両方をとれるフレキシブルな前置詞が9つあります。
もうこれ以上読みたくない?
いえいえ、恐れるには足りません

これらは場所を表す前置詞なので即暗記できるんです。
まず、頭の中に一つ固い感じの大きな箱(die Kiste)を置いて、そのあらゆる方向を思い浮かべてみてください。
an(アン)「〜に接して」
auf (アウフ)「〜の上」
hinter(ヒンター)「〜の後ろ」
in(イン)「〜の中」
neven(ネーベン)「〜の隣」
über(ユーバー)「〜の上方、〜を越えて」
unter(ウンター)「〜の下」
vor(フォー)「〜の前」
それからもう一つ箱を横に置いて、
zwischen(ツビッシェン)「〜のあいだ」
3格と4格を支配する9つの前置詞はこれですべてマスターです。楽勝ですね。
図にするとこんな感じでしょうか。

さて、問題は3格、4格のどちらを選べば良いのか、ということ。
これは点と矢印の小道具でおおかた完璧です。まず、
点は3格、矢印は4格
と覚えてください。
例えばあなたがさっきの箱の中にいる場合は、
Ich bin im Kiste.
in + dem Kiste (3格) ※ in + dem = im
あまり現実ではありえないかもしれませんが、大きな箱の中に歩いて入ることを想像してみましょう。
矢印は外から内に向かっています。

Ich gehe in die Kiste.
in + die Kiste (4格)
そこに存在しているというときは3格、動きをもっているのは4格だということですね。
余談ですが、in die Kiste gehen mit 〜は「〜と寝る」という意味で、ドイツ語の授業ではあまりお目にかかれない表現です。
「〜と箱の中に歩いて行く」がアダルティな意味になるあたり、ドイツ語もおもしろいなぁと思います。
ともあれ、3格名詞を見たら点、4格名詞を見たら矢印を下にメモしながら読解していくと、前置詞の用法が理解しやすくなりますよ。
他の前置詞でもぜひ遊んでみてください。
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